医療あれこれ

脂肪の消費に効果的な運動

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 これまでに何度かご紹介してきましたように、内臓脂肪の蓄積はメタボリックシンドロームにつながり、また糖尿病の方にとっては、運動療法は重要です。運動の効果としては、① 運動により血糖、脂肪などのエネルギー源が消費され、② 糖尿病の場合インスリンの効き方を改善する効果が知られています。

 今までは、少し息が切れる程度の運動(有酸素運動)は、最初の10数分は血糖の消費効果があり、さらに運動を続けると脂肪の燃焼が始まるとされていました。つまり、たとえ時間のない人でも、少なくとも15分以上、できれば30分間の運動が必要であると言うことでした。

 しかし、最近の報告によると、軽い運動では、運動開始当初から糖と脂肪の両方が消費されるとされています。従って、時間のない人は短時間でも運動をすると、ある程度は脂肪の消費にも有効であると考えられます。「運動する」という特別な時間がとれない方は、日常生活の中で、エレベーターを使わずに階段を使うなど、体を動かす習慣を取り入れればよいでしょう。歩数計をお持ちの方は、1日1万歩が目標ですが、歩数がそれより少ない場合でも、まず今までより11000歩でも増やすように努めて頂ければよいと言われています。

文献:佐藤祐造:日本医事新報2013年、4651p.68