医療あれこれ
規則正しい生活が長寿の秘訣
先日、敬老の日を前にした報道によると、長寿世界一、国内最高齢の人は京都府在住の男性で、115歳だそうです。一日3度の食事を欠かさず、「小食で、腹八分目」を心がけていらっしゃるそうです。また毎朝7時過ぎに起床し、午後7時半ごろには就寝する毎日で、新聞を読んだりテレビを見たり規則正しい生活をおくっていらっしゃるとのことです。食事や睡眠を始めとした生活習慣を規則正しくすることが、健康を保つために最も重要であることを改めて認識させられます。
またこれもご存知の通り、厚生労働省の発表で、日本人の百寿者つまり百歳以上の人は5万人をこえたことが明らかとなりました。調査を始めた今からおよそ50年前の1963年には153人だったそうですが、1998年に1万人をこえ、その後、急速に増加してきたことになります。人口10万人当たりの100歳以上の人数を都道府県別にみると、高知県(78.50人)、島根県(77.81人)、山口県(67.27人)の順で、2009年まで37年連続第一位だった沖縄県は62.88人で第5位になっています。逆に最も100歳以上が少ないのは埼玉県(23.09人)だそうです。
ところで沖縄県については、1990年頃までは都道府県別の平均寿命が、連続して全国第一位で、世界に冠たる長寿地域として知られていました。ところが、その後、急速に平均寿命は短くなり20位以下になってしまったことから、のちに「沖縄クライシス」と呼ばれる現象を引き起こしたのです。この原因は何かというと、ハンバーガーなどのファーストフードが入ってきたのは、駐留米軍などの影響で、沖縄県が最も早く、その結果、肥満の人が増え、動脈硬化に関連する病気が増加したことによるのだとされていました。しかし実際は、沖縄県の平均寿命短縮は、15歳~45歳の人の死亡率が増加したことによるといいます。死因としては、自殺や肝疾患が最も多いそうです。つまり失業率の増加など社会情勢も大きく関連しているということで、「沖縄クライシス」現象は、必ずしも生活習慣の変化が原因で、高齢者の数が減っているのではないようです。
それはさておき、乱れた生活習慣を続けていると、将来的に「生活習慣病」関連の疾患が原因で寿命に大きな影響を及ぼしてくることは言うまでもありません。いろいろな問題を抱える昨今ですが、できれば「規則正しく」平穏な生活を続けて行きたいものです。