医療あれこれ
日本の糖尿病人口が一千万人を超えました
今年11月に国際糖尿病連合が発行した資料によれば、20歳~79歳の成人における糖尿病人口は全世界で約3億6,600万人とみられ、今後も増え続けると予想しています。最も糖尿病人口が多い国は中国で9,000万人、次いでインドが6,130万人とみられており、日本は第6位の1,070万人と報告されています。このまま推移すると2030年には世界中の糖尿病人口は約5億5,200万人に達するという予測がなされています。
我が国における20歳~79歳の成人人口は約9,500万人ですから、糖尿病人口1,070万人は一割以上、11.2%いることになります。
年齢別に見ると、グラフに示すように年齢に伴って糖尿病人口は明らかに増加する傾向がわかります。またこれらの糖尿病の人がいる地域別では都市部が農村部に比べて1.7倍多いことがわかりました。
問題は糖尿病の人が大勢いるのに、このうち適切な治療を受けている人は半分以下であると推定されることです。糖尿病は体のどこかが痛いなどあまり自覚症状のないことが多く、健康診断などで糖尿病の疑いがあると指摘された人でも、ついついそのまま放置してしまうことが多いのだろうと推定されます。
いうまでもなく糖尿病の治療目的は、自覚症状を改善することではありません。合併症として腎症で腎臓の機能が悪くなって最終的に人工透析を受けなければならなくなったり、網膜症で視力障害が起こったり、足の感覚がなくなって足が腐ってしまったりします。もっと問題なのは心筋梗塞や脳卒中といった死に直結する怖い病気を合併する場合が多いことです。これらのことを予防するため糖尿病を治療して、血液中の糖を適切にコントロールしておくことが大切になるのです。