医療あれこれ
日本では5月17日は「高血圧の日」
アメリカに事務局がある世界高血圧連盟が2005年に5月17日を「世界高血圧デー」と制定していますが、日本では日本高血圧学会と日本高血圧協会がこの日に準じて「高血圧の日」としています。
日本人の死因は年代により順位が入れ替わりますが、2020年では、1位:悪性腫瘍、2位:心疾患、3位老衰、4位脳血管疾患、5位肺炎
となっています。このうち心疾患と脳血管疾患は言うまでもなく高血圧が病気を引き起こす主要な原因です。高血圧は生活習慣病の一つですが、たとえ血圧がかなり高くても自覚症状がないことが多いため「サイレント・キラー」と呼ばれます。日本で高血圧の人は約4000万人いると推定されていますが、実際に治療を受けているのはこのうち800万人で2割しかいません。「高血圧の日」は高血圧の理解を深め、健康を増進するため定期的に血圧を測定するキャンペーンが実施されています。また高血圧を抑止するためには、よく知られているように塩分を控えることが重要で、5月17日にちなんで、毎月15日は「減塩の日」と呼ぶように日本高血圧学会は制定しています。1日の食塩摂取量は6 g 未満が推奨されています。
また高血圧治療ガイドラインで定められている血圧目標値、至適血圧値は以下に示したとおりです。
75歳以上の人 150/90 mmHg未満、可能なら140/90 mmHgを目標
75歳未満の人 140/90 mmHg未満
慢性腎臓病、糖尿病の人 130/80 mmHg未満
至適血圧値 120/80 mmHg未満