医療あれこれ
スマホ画面で頭痛がおこる
スマートフォンなどの画面はブルーライトを発することから、これが原因で難治性の頭痛が発生することが知られています。ブルーライトは波長380~495nmの青色光で、スマートフォンやゲーム機、パソコン、さらに液晶テレビ画面が発する光に含まれています。近年、日常生活でこれらの画面を見る時間が増えており、特に若い人たちにおける難治性の思春期慢性連日性頭痛の原因になると考えられています。11月に下関で開催された日本頭痛学会総会で、これらブルーライトを発する機器の夜間での使用を制限すると頭痛の症状が改善することが報告されました。
これらのことは小児科領域において、頭痛だけでなく、睡眠障害、昼夜逆転、不登校などとの関連も指摘されています。そこでこれらの訴えをもつ慢性連日性頭痛の症例に対して、ブルーライト制限を中心とした約1ヶ月の入院治療をおこなったところ、症状の著明な改善がみられ、登校も可能になったということです。
小児思春期頭痛外来に通院中の12~19歳の30人にアンケートすると、スマートフォンやゲーム機、パソコンの所持率は100%だったそうです。その使用時間は1日平均5.6時間で最も長い場合15時間に及ぶと回答しています。さらに夜8時以降の使用がほぼ毎日という結果が得られたそうです。そこでスマートフォンやパソコンなどの使用は1日3時間以内とし、夜8時以降はなるべく使用しないことが提唱されました。さらにブルーライトカット眼鏡(右の写真)を装着するなどの基準づくりといった対策が必要だとのことです。