医療あれこれ

乳児の新型コロナ感染

 山梨大学医学部で生後8か月の乳児が新型コロナウイルスに感染していたことが判明したことは報道でご存じだと思います。この乳児は当初、心肺停止の状態だったそうですが、その後一命を取り留め現在治療が継続されているそうです。

 世界的にみると今まで若年者は重症化しないと言われていた新型コロナ感染ですが、若年者の死亡例が報告されてくるなど問題が起こっています。ただこれらの感染情報については、感染者の基本的状態が当然のごとく報道されていませんのでコロナ感染だけが共通項目で、この病気自体の本質的な性格は関係者以外には判断できないという側面があろうかと感じます。つまり例えば、その感染者には新型コロナウイルスの感染があったのは事実だとしても、他に病態を悪化させ場合によっては死に至るような疾患があったのかどうかは(個人的情報ですから)判らないわけです。このように報道だけで本来なら無用な心配をしすぎることも問題だろうと思われます。

 山梨大学のことでもう一つ思われるのは、患児の医療に関係した医療スタッフ、事務職員がコロナ患者との接触者として40名以上の人員が2週間の休職を余儀なくされていることです。このことだけではありませんが、医療者の活動制限は、今盛んに言われている「医療崩壊」につながる問題の一つです。

 また少し異なることですが、これまで高血圧や糖尿病などの慢性疾患で薬の服用をされていた人が、医療機関を直接受診したらそこで感染する心配があると、ご自分の治療を中断してしまう方もいることが心配です。直接の感染が原因ではなくて病気を持つ人が状態を悪化させることのないようにお気をつけください。