花粉症の季節です。スギ花粉はピークを越えていますが、これからヒノキ花粉の影響がでてきます。花粉症では、眼がかゆい、涙が出るなど眼の症状と、くしゃみが出る、鼻水がでるなど鼻の症状が出現しますが、鼻の症状は花粉が原因のアレルギー性鼻炎という診断名ということができます。
最近、米国でアレルギー性鼻炎の人は心筋梗塞になりにくいという報告が、米国アレルギー・喘息・免疫学会で発表されました。南カリフォルニア地域のアレルギー性鼻炎患者10万9千人と、症状のない人を正常対象として比較検討したものです。
その結果は、アレルギー性鼻炎のある人の群では、心筋梗塞発症のリスクが正常対象群に比べて統計学的に有意に低いことが判りました。また同時に脳梗塞などの脳血管障害発症リスクについても検討されましたが、これについてもアレルギー性鼻炎の人はリスクが低いことが明らかとなりました。一方、同じくアレルギー性疾患である喘息患者9万3千人も対象として検討されましたが、こちらはこれら血管疾患が逆に有意に増加するという結果でした。
これらの事から「アレルギー性疾患で心筋梗塞の発症リスクが低下するのは、アレルギー体質が原因ではないと考えられ、さらなる検討が必要だ」と発表者は述べています。花粉症だから心筋梗塞にはなりにくいと単純に考えるわけにはいかないようです。
(引用: Medical Tribune 2014年3月20日、P37)