医療あれこれ

サルコペニア
2013年6月10日

 75歳以上の後期高齢者において、全身の筋力低下による歩行障害がおこり生活機能に障害が発生するとして最近注目されているサルコペニアについてご紹介します。

 歳を重ねるとともに筋肉の量が若年者に比べて減少し、筋力低下が徐々に進行しますが、同じ年齢の人で比べて明らかに筋力低下が認められるものをサルコペニアと言います。新しい疾患概念で、確立された診断基準などはまだありませんが、概ね、普通の歩行速度が一秒間に1メートル未満であるとか、握力の低下(例えば男性で25kg以下、女性で20kg以下)。また筋肉量を測定した時、健常人の平均値を明らかに下回っているような場合が考えられます。これらを基準として65歳以上の人でサルコペニアの有病率を推計すると男性で約5%、女性では約12%がサルコペニアと考えられるそうです(国立長寿医療研究センター病院)。

 サルコペニア診断となる血液中の特殊なタンパク質の研究が進んでいますが、筋力を何とか維持することが発症を予防するのに重要であることは言うまでもなく、東大22世紀医療センター臨床運動器医学講座によると、片足立ちやスクワットがよいそうです。具体的には片足立ちは左右1分間ずつ1日3回、スクワット5~10回を1日3回行うことが推奨されています。


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