医療あれこれ
元アスリートは糖尿病になりにくい
現在開催中のソチ・オリンピックでは日本選手の活躍もあり連日マスコミ報道を賑わせています。ところで、男性の元アスリートは晩年に糖尿病を発症するリスクの低いことがフィンランドの研究者から発表されています(Laine K. et al Diabetelogia online, 2013.11.21)。
その研究方法は1920年~1965年にフィンランド人で、長距離走やクロスカントリースキー、フットボールやアイスホッケーなど持久力と体力を要するスポーツの代表選手として国際試合に1回以上参加した男性の元アスリート1518名(平均年齢72.7歳)と、健康だけれども積極的なスポーツをしていなかった年齢層が同じ対照群1010名(平均年齢71.63歳)についてアンケートと身体測定、血糖値などの検査などを実施し結果を比較検討しました。
その結果、元アスリート群では対照群に比べて糖尿病の発症リスクが28%低いことが明らかになりました。特に同じ元アスリート群でも、持久力を要する長距離走やクロスカントリーの選手だった人の糖尿病発症率は61%も低かったそうです。
発表者のLaine氏によると、元アスリートの人は高齢になっても身体活動を維持するライフスタイルを送る傾向もあることも影響しているとのことです。若い時における運動習慣の有無もさることながら、高年齢になっても可能な範囲の運動を続けることが糖尿病の予防に重要であると思われます。
引用: Medical Tribune,
2014/1.16