医療あれこれ

チョコレートと健康

Cocoa2.JPG

 バレンタインデーで色々なチョコレートが"愛をこめて"、あるいは"義理で"プレゼントされています。今回はこのチョコレートと医療・健康について考えてみたいと思います。

 チョコレートは、カカオの実とさまざまな果実を発酵させて作られているものです。発酵させることによって甘い香りが生まれてくるのだそうです。カカオの実には糖分の他、タンパク質などが多く含まれていますが、注目されるのは「ポリフェノール」の成分が含まれていることです。

 ポリフェノールはご存知のように強い酸化作用があり、抗老化物質であると考えられています。チョコレートは、血圧を低下させ、肥満を抑え、動脈硬化を予防し、さらにガンの予防や認知症の予防作用があるとされています。また創傷治癒に働くことから、ケガをした人がチョコレートを食べていると早く治るなどといわれています。しかしこのチョコレートに含まれる健康成分は1回食べても血液中の半減期は2時間位なので、1日に何度も少しづつチョコレートを食べるのが効果的だということになります。

 そうすると、やはり問題となるのは、チョコレートのカロリーがオーバーになってしまうことから、糖尿病の人や脂質異常の人にはよくないということが考えられるでしょう。そこで最近では、低カロリーや糖質ゼロのチョコレートがいくつか発売されています。これならいくら食べても大丈夫・・・とはなかなかいきません。糖質ゼロというと確かに砂糖は含まれていないのでしょうが、サツマイモなどから作られる甘味(糖分)が含まれています。砂糖に比べてカロリーは少ないのでしょうが、ポリフェノールを補給しようとしてチョコレートを大量に食べるとやはりカロリーオーバーになってしまうのでよくありません。逆にカカオ成分が多いチョコレートがよいのかも知れません。いずれにしても(どのような健康食品も同様ですが)極端に特定のものを摂りすぎることは健康上よくないことはいうまでもありませんね。