医療あれこれ
インフルエンザ予防接種
本年(2019年)の8月に全米感染症財団が実施したアンケート調査で、アメリカの成人男性の多くはインフルエンザの予防接種を受ける予定がないと回答しているのだそうです。回答した人数はわずかに千人余りで、この数の少なさだけでもどうかとも思いますが、回答者の約60%は予防接種がインフルエンザおよび関連疾患や死亡の最もよい予防策だと思っているけれど、冬場の流行期に予防接種を受ける予定(8月の時点)であるという人は52%でした。なぜ予防接種を受けないのか理由を聞くと、ワクチンが効くとは思わない(51%)、副作用が心配(34%)、ワクチンが原因でインフルエンザに感染するのではないかと不安(22%)などの回答がありました。
特に65歳以上の人、喫煙者、糖尿病・喘息・心疾患・腎臓病といった慢性疾患で治療中の人はインフルエンザに関連した合併症のリスクがある人たちです。これらのリスクを持つ人たちはぜひ予防接種を受けるべきなのですが、予防接種を受ける予定である人はわずかに25%だったといいます。病院や薬局など保健医療施設で働く人たちのうち40%は職場での予防接種が可能なのにもかかわらず、職場で接種を受けると回答したのは8%しかいなかったそうです。
インフルエンザとともに肺炎球菌感染症の予防接種についても同時にアンケート調査をしたのですが、慢性疾患治療中などリスクを持った人の46%は肺炎球菌感染症がどれほど危険であるかよく知らないと回答したそうです。そして70%の人は肺炎球菌ワクチン接種を受ける予定がないとの回答でした。今回の調査関係者は、特にリスクを持つ人たちについては予防接種の必要性についての教育が必要だと述べているそうです。
インフルエンザについては予防接種を受ければ100%インフルエンザにならないわけではありませんが、もしかかったとしても予防接種により症状が軽くてすみます。つまりインフルエンザ脳症など重篤な状態になる可能性が軽減されると考えられます。なお予防接種はあくまでインフルエンザが対象ですから、予防接種を受けたからといっても普通のカゼにかからないわけではありません。
引用:Health Day News Physician's Briefing 2019年10月4日