医療あれこれ

善きサマリア人~その2


 本項の831日付け「善きサマリア人について考える」で、飛行中の機内でドクターコールがありそれに応じて急病の人を手当てしたとき、もし結末がよくなかったら、その処置の責任が問われるかも知れないという話題をご紹介しました。

JALAirbus.jpg これについて日本の航空各社にアンケートが実施されました。具体的に回答を得たのは日本航空でした。 それによると「航空機内における医療行為は、場所的な制約、利用できる医薬品、医療器具、その他、多くの制約下で緊急的に行われる診療で、その行為に要求される注意義務は軽減される」とした上で、「当該医療行為に起因して、賠償請求が発生した場合には、原則として当社が賠償金と関連する訴訟費用を負担する。原則的に医師は賠償責任を負わないようになっている。」と回答したそうです。また海外の航空会社では、医師であることをフライト前に登録してもらった上で法的責任の免除を明らかにするプログラムも導入しているところもあるそうです。

 「善かれと思っておこなった行為が善くない結末になり、その責任が問われるからあまり積極的に善行に加担したくない」ということは、医療行為に限ったことではありません。社会全体が人の責任ばかり追及する風潮はこの際改める必要があるのではないでしょうか。

 

引用:M3医療ニュース911日付